疎遠に
2022年11月中旬、数年通っていた飲み屋と疎遠になった。
理由をすべて話すと長くなるので割愛するが、仲良くしていたお店の女の子（以下Ａさん）の数多の嘘が大々的に露呈してしまったからだ。
- 視世より２つ年上
- 子どもが３人いる
- 2022年6月に離婚
- 容姿は整っており、Ａさんを目的に来店する人もいた
Ａさんとは20代の頃に出会い数十年来の付き合いだったが、当時から彼女は男性にだらしないところがあった。
だが別にＡさんに惚れていたわけでもない私は、人の恋愛事情には興味がないので特に関与することはなかった。
ほぼ毎日来る常連の男性（以下Ｔさん）とデキてるという噂があったが、そちらに関しても聞き流していた。
しかし結局このＡさんとＴさんの嘘にまみれた関係が、私や他の多くのお客さんが疎遠になるきっかけとなってしまったのである。
Ａさんの嘘
「ＡさんとＴさんはデキてるという噂」と書いたが、結果的にそれは噂ではなく事実だった。
常連であればあるほどお客さんも「あの２人、絶対デキてる」と勘付いていたが、自分には関係ないことだと、大人の対応として気づいてないフリをしていた。
しかし問題はここから始まっていたのである。
本人達は「誰にも気づかれていない」と本気で勘違いしていたのです。
酔ったお客さんが「Ａさん、Ｔさんとデキてるんでしょ？」と突っ込んだりすることがあったが、その度Ａさんは
離婚したばっかりだし、Ｔさんどころか今は男性に興味ないですよぉ～！
と笑って流しており、事情を知っている常連さんは苦笑いしていた。
ある日、ふらっと飲みに行った時のこと、雑談の中でＡさんはこんなことを言った。
子ども好きだから、あと１人くらい子どもがほしいんだよね。
じゃあまずは相手探しからだね。
ここでも大人な対応でしれっと会話を続けていたのだが、このＡさんの発言が後に私を恐怖に叩き落すことになる。
占い
いきなりだが、私は占いが好きで、１番ハマっているのがオラクルカードだ。
オラクルカードとは「オラクル（oracle）＝神託、大きな存在の言葉」を受け取るためのカード。占術としては、偶然性からメッセージをうけとる「卜術（ぼくじゅつ）」のひとつに位置づけられる。通常、40～50枚のカードとガイドブックで構成され、日本では2000年くらいから広く出版されるようになった。現在では、日本には数百種類のカードが出版されているといわれている。そのルーツは、聖書を使って占う書物占い（ビブリオマンシー）を現代風にしたものともいわれている。
Wikipediaより引用
Ａさんも占いが大好きだったので、お店が暇な時にオラクルカードで占うことになった。
オラクルカードは相談内容が具体的であればあるほどリーディングしやすいのだが、この時のＡさんからの依頼は「私生活について」という漠然とした内容。
ちなみにこの時、旦那さんとの離婚話が本格化していたのだが私はまだそのことを知らなかった。
左から順に過去・現在・未来を示すカードで……
リーディングに入る前に軽く説明をし、１枚１枚のカードを解説することに。
過去についてだけど……
リーディングブックを片手に読み解いていると、３枚のカードすべてが繋がってしまいそうだった。
「傷つき、心が踏みにじられたように見受けられます」
それは恋人同士のケンカや片想いかもしれませんし、破局かもしれないし、アバンチュールでの苦い経験かもしれません。
「中毒、歪んだ物の見方、やりたい放題！」
ストップ、ここでやめましょう！ 人間関係や食べ物、アルコール、セックス、邪悪な言葉や考え方など、何らかの依存や中毒に警告がなされています。
「迎えようとしているエネルギーの変化はそれなりの覚悟を要します」
日常生活において深い感情レベルの変化が訪れます。この時、事実やスキャンダルが発覚し、真実が明らかになる可能性があります。
この占いから少ししてＡさんは離婚することとなる。
後付けだと疑う人がいるかもしれないがすべて事実だ。
あの時は言えなかったけど、占ってもらった時は離婚調停中だったのよ！
「No.36 失恋を癒す妖精」カードのリーディングが当たっていたという。
占いは好きだが、自己流で学んだ程度。
まさか的中するだなんて夢にも思っていなかった。
暴かれた嘘
占いをしてからしばらくして、お店の若い子（以下、Ｍちゃん）とＡさんが揉めるという事件が起こった。
理由は「ＴさんがＭちゃんと親し気にしていた様子に、Ａさんが嫉妬した」というくだらないもの。
ちなみに営業中の話であり、Ｍちゃんは接客の１つとしてＴさんとカラオケを歌っていただけだった。
内部でゴタゴタが続き、私はMちゃんから「店に居づらいんです……」と泣きながら相談された。
話を聞いた常連のお客さんも数人巻き込まれることになったので、Ａさんのこれまでの嘘が露呈してしまったのです。
- Ｔさんのことが好きで、体の関係もあった（※みんな薄々気づいていた）
- 離婚の原因は旦那の浮気と言っていたが、Ａさんも離婚する前からＴさんと関係があった。
さらに、お相手のＴさんは口が軽い男だったため、こんな事実まで飛び出してしまう。
「ＡさんはＴさんの子どもを堕ろしていた」
またもオラクルカードのリーディングが当たった瞬間だった。
「No.2 アブサンの妖精」のカードが示していたように、「他のお客さんに気づかれていない」と勘違いしていたＡさんとＴさんは、いい歳して己の快楽に溺れてしまっていたのだ。
性行為をする時、Ａさんは避妊具を使わずにするのが好きで、中に……
Ｍちゃんのこの発言だが、酔っ払ったＴさんが得意げに話してきたのだという。
お互いいい歳なのに、避妊具を用いない性行為がどうなるかわからなかったのだろうか？
また、性行為について他者に堂々と話をする神経も信じられない。
ちなみにＴさんはバツ１で、親権はないが子どもがいる。
離婚しているので恋愛は自由だが、Ａさんと交際・再婚するつもりはないと周りには言っていた。
笑顔で嘘
人工妊娠中絶をしていた事実が発覚すると、全員の頭に浮かぶものがあった。
Ａさんは「胸に腫瘍ができたので手術する」と入院していた時期があったのだ。
よくよく話を聞くと、入院していた時期が人工妊娠中絶の時期と近いのだ。
「人工妊娠中絶をするから」と大っぴらに宣言することはできなかっただろうが、この話の怖いところは、店のママ（ちなみにAさんの実母）にも本当の理由を言っていなかったというところ。
事実を知ったお客さんの中には「ずっと客に嘘をついてたのか！」と激昂する人もいた。
私はモヤモヤしながらも、「まぁ人それぞれの事情だし」と口を挟むことしなかったのだが、Ａさんのあの言葉を思い出して全身に鳥肌が立った。
子ども好きだから、あと１人くらい子どもがほしいんだよね。
彼女が「あと１人くらい子どもがほしい」と笑顔で言っていたのは、Ｔさんとの子どもを堕ろした後だった。
笑顔で「子どもがほしい」と言いながら、その実は身籠った子を……。
その後
それ以来、私は店に行かなくなった。
田舎の割に流行っていたお店だったが、Ａさんの嘘に傷ついたお客さんが他の店に流れすっかり客入りが減ったらしい。
また、「お客さんに変な噂が流れる原因になった！」という理不尽な理由でＭちゃんは一方的に解雇され、Ｍちゃん解雇の話が広まるとお客さんはさらに減ったという。
一部のお客さんは義理や情で通っているが、頻度は激減しているらしい。
視世さんと飲みたいけど、さすがにあの店には誘えないからね……
そう言って別の店で飲んでる時に連絡してくる始末だ。
今回の話で、私は２つの恐怖を感じた。
１つは、まともに勉強したことないのに占いのリーディングが的確過ぎた恐怖。
「迎えようとしているエネルギーの変化はそれなりの覚悟を要します」
日常生活において深い感情レベルの変化が訪れます。この時、事実やスキャンダルが発覚し、真実が明らかになる可能性があります。
未来パートの「No.10 日食の人魚」のリーディングまで的中してしまった。
そしてもう１つは、息をするように笑顔で嘘をつく人間に対する恐怖だ。
人間だれしも気軽に人に言えないことや、誤魔化してしまうことの１つや２つ、もしくはそれ以上あるだろう。
だが、人工妊娠中絶をしておきながら「子どもがほしい」と笑っていたＡさんは、どんな心境だったのだろうか？
人の生命を嘲笑うようなあの言葉、いつ思い出しても鳥肌が立ってしまう。
オラクルカード
今回の話でオラクルカードに興味を持った方はこちら！
私が使っている「oracle of the Shadow & Light」はAmazonで売り切れでした^^;
フィーリングが大事なので、実際に手に取って選ぶのが１番だと思います。
大きい書店だと占い関連のコーナーで販売されていることも多いので、実物を見てぴんと来たものを選ぶと良いでしょう。
私も書店で目にし、なんとなく買わないといけないと思って購入しました！
しかしオラクルカードのリーディングで、どうか皆様は怖い思いをしませんように……。
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