【怖い話1】不思議な女①

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人にまつわる怖い話
音声動画化しました!
※ 聞きやすさを重視し、下の投稿を多少改変しています。投稿と音声動画の違いもお楽しみください。

序章

今までで1番怖かった話は?

これまで何度も尋ねられた質問だ。

全容をしっかり記憶しているかは別にして、オカルト掲示板やテレビの心霊番組、怖い話の書籍や人から聞いた話など、私が知る怖い話は数百はある。

怖い話を聞いたり読んだりしても「これ聞いたことあるな」「これ読んだことあるな」ということが多く、心霊動画も「これ観たことあるな」というものがほとんどだ。

だからこそ、私が選ぶのは世に出回っている怖い話ではなく自身が体験した話

聞いた話や読んだ話、テレビで観た映像でも怖かったものはいくつもあるが、やはりこの身をもって体験した出来事に勝る恐怖はない

恐怖の始まり

学生時代はバイク通学をしていたが、大学入学からバイクが納車されるまでの少しの間、バス通学をしていたことがある。

すべての恐怖はこのバイク通学から始まった。

バス通学1日目、自宅近くの停留所でバスに乗車。
昼前のゆっくりした時間だったため、車内はがらがら。席に余裕があったので、贅沢にも2人掛けの席に座ることにした。

車窓の外をぼんやり見ていると次の停留所が見えてくる。
停留所には数人が待機していたが、座席が埋まるような人数ではなかった。

視世陽木
視世陽木

キレイな人がいるな

そんな俗っぽいことを考えているうちにバスは停車し、ガヤガヤと乗客が乗り込んでくる。

乗降客の喧騒には目もくれず、引き続きぼんやり外を眺めていたが、思わず隣を振り返ることとなった。

なぜなら、まだ席には余裕があるのに隣に座ってくる人がいたからだ。

2人掛けの座席に1人で座っているから、隣に誰かが座ることはあるだろう。

しかし車内には空席も多く、1人掛け用の席だって空いていた。
そんな状況でわざわざ隣に座ってくるだろうか?

ましてや隣に座ったきたのは「綺麗な人がいるな」と思いながら見ていた女性。
なおさら男性の隣は避けるものではないだろうか?

知り合いかと思ったが、まったく見覚えのない人だった。

視世陽木
視世陽木

まあいっか……

奇妙さは拭えなかったが、席を詰めてはいけないという決まりがあるわけでもない。
知り合いでもないし、話しかけてくるわけでもないので放っておくことにした。

何事もなく大学前の停留所に到着し、「前をすみません」と言って女性の前を通り下車する。

後に続いて降りてくるようなこともなく、女性はただただ行儀よく座っているだけだった。

連続する奇行と終わり

視世陽木
視世陽木

またいるよ……

次の日もその次の日もそのまた次の日も、女性はバスを待っていて必ず隣に座ってきた

当時は私も若かったので、初めは「もしかしたら俺に気があるのかな?」なんて素敵な勘違いをしていた。
しかしそれにしては話しかけてくるわけでもなく、こちらを見ようともしない。
ただただ行儀よく座り、真っすぐ前を見ているだけなのだ。

視世陽木
視世陽木

怖い……

どんなに美人だろうが、こんな奇行が続けば恐怖でしかない。

2人掛け用の座席にいれば隣に座ってくるし、1人掛け用の席に座っているとすぐ隣に立つ。
吊革を持って立っていても、これまた隣に立つのだった。

こちらから「なんでいつも隣にくるんですか?」と聞くのも違うと思い、かといって無関心でいるのも限界だった。

さらに私を恐怖させたのは、帰りのバスでは絶対に一緒にならないということ。

私の帰宅時間もバラバラだったし女性にも事情はあるだろうが、同じ路線を利用しているなら1度ぐらいは帰りに乗り合わせてもおかしくないはずだ。

 しかし、恐怖の日々もついに終わりを迎える。

視世陽木
視世陽木

原付がきてる!

ある日帰宅すると、自宅の駐車場に原付が停まっているのを発見し、思わず声が出た。

本来なら「やっと原付がきた!」という喜びのはずだったのに、この時は「恐怖のバス通学が終わる!」と安堵していた。

後日談

バイク通学を始めてすぐ、奇妙なことに気づいてしまった。

視世陽木
視世陽木

今日もいないな……

あれだけ毎日隣に座ってきたのに、原付で停留所前を通る時には女性の姿がないのだ。
様々な時間帯で注意深く観察したが、ついに1度も見かけることはなかった。

そもそもが不思議な話だ。

大学生の時間割りは曜日によって違う。
朝イチから講義の日もあれば、昼からゆっくり通学することもある。

それなのに、彼女は必ず私が乗るバスを待っていた

しかしそんな彼女が、バイク通学を始めてからはパッタリと姿を見せなくなった

あまりの奇妙さに様々な考察をし、可能性は低いだろうが考えついたことがある。

それは、始発の便からずっと私が乗ってくる便を待っているという可能性
もしこの考察が正解だったとしたら、私の乗車の有無を確認して乗るかどうか決めればいい。

しかしある日、その可能性も完全になくなった。

夜通し遊んで朝帰りになった日、始発バスが通る時間に停留所の前を通った。

そこにも彼女の姿はなかった。

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