【実話】事故物件の「おかしな間取り」の正体…先輩が畳をめくると

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先輩が住む事故物件の畳をめくって血糊が現れた様子の画像 人にまつわる怖い話

間取りへの関心

『事故物件』という言葉が有名になると同時に、物件の間取りが注目されるようになった。

” 変な間取り ” や ” 変わった間取り ” というキーワードで検索すれば、無数のページがヒットする。

狭小な土地ゆえに変わった間取りにせざるを得なかったり、設計士のこだわりで変な間取りになってしまったり、家主の希望で変な間取りになってしまったりと、間取りが生まれた背景も実に多種多様だ。

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今回は、後から変な間取りになってしまった家に住んでいた先輩の話。


H先輩の家には何度か遊びに行ったが、初めてお邪魔した日にすぐに気づいた。

「やっぱりお前にはわかるか」

玄関先で立ち止まった私に、先輩は苦笑しながら続けて言った。

「事故物件なんだよ、ここ」

H先輩は学生時代にバイトしていたパチンコ屋の先輩で、やや強めの霊感を持っている人だ。

父親が霊感の持ち主で遺伝してしまったらしい。

幼い頃に両親が離婚し母親に引き取られたH先輩。

女手1つで立派に育て上げるべく、母親は朝から晩まで働き詰めだったという。

裕福とは程遠い経済状況だったらしく、家賃を節約すべく母親が事故物件に的を絞って探した結果がその家だった。

「ちょっと気配を感じただけです。慣れてるんで大丈夫ですよ」

先輩の家を嫌悪したわけではないので、慌ててフォローした。

人様の家庭のことを深く聞きほじるつもりもないし、嫌な気配なんて坂本の家ですっかり慣れてしまっていたので何の問題もない。

「そう言ってくれると助かるよ。多少なり霊感がある人は、家に入るのを嫌がるからな」

私達は互いに気を遣い合いながら家の中へ入った。

狭い部屋と新しい天井

「コーヒー、ブラックでいいだろ?」

部屋に通されてすぐ、先輩が飲み物の準備をするためキッチンへ向かい、1人 部屋に残される。

不躾にキョロキョロと部屋を見回して気づいたが、先輩の部屋は不自然に狭かった

他3面の内壁は古びた感じなのに、ある一面の壁だけ新しくて妙な圧迫感があった。

天井も不自然に新しかったのを覚えている。

コーヒーを入れて戻ってきたH先輩が、キョロキョロしている私を見て苦笑いした。

「変な家だろ?」

「変っていうか、間取りがおかしいですよね? 不自然に狭いし、1面だけ壁が新しくて、天井も張り替えられてますし」

すると先輩は驚いた顔で「さすがだな」と言い、声のトーンを落として言った。

「視世はこういの大丈夫だろうからさ、教えてやるよ」

立ち上がったH先輩は、1面だけ新しい壁に接する畳におもむろに手をかけた。

「いつの話かまではわからないけど、夫婦喧嘩がエスカレートして、旦那が奥さんを刺し殺すって事件がホントにあったらしい」

よっと軽く声を上げ畳を持ち上げると、畳の下の床はどす黒く変色していた。

「畳替えをしただけで、ハウスクリーニングとかはれなかったらしい」

床の変色は間違いなく血の跡で、「最初から事故物件として売り出すつもりだったんだろうな」と先輩は笑っていた。

「この部屋は隣の部屋と一繋ぎだったらしいけど、壁で区切って2部屋にして内部リフォーム済みってことにしたんだってよ」

「内部リフォームをやったってことですね」

すると先輩は、私の質問には答えず立ち上がった。

「隣の部屋も見せてやるよ」

隣室の怪

隣の部屋は、先輩の母親の寝室だった。

「ここなんだけどな……」

再び畳に手をかけるH先輩。

先輩の部屋とを区切る、新しい壁に接した畳だ。

「よっ!」

先程と同じように軽く畳を持ち上げると、その下の床板もどす黒く染まっていた

「ここ、見てみ? あっちの部屋もそうだったけど、壁のとこでぷっつり血が途切れてるだろ?」

「確かに。……えっ、もしかして⁉」

「たぶんだけど、ここを壁で区切ることで、殺人があった場所をなくしたことにしたんだと思う」

「ただの気休めじゃないですか!」

「俺もそう思うよ」

「実害はないんですか?」

「実害はないけど、夜中に人の気配は感じるな。でもその気配は、動くことができないみたいなんだ」

目の前の新しい壁を見れば、「なぜ?」と問う必要はない。

視えない私には断定できないが、霊ごと壁で区切ってしまったのだろう。

簡易間取り図

恐ろしい推測に身を震わせていると、剥がした畳を戻しながら先輩が呟いた。

このシミ、見るたびに広がってる気がするんだよ。早いとこ引っ越したいんだよな、こんなお化け屋敷」

最後の恐怖

数年後、先輩はその家を引っ越すこととなる。

引っ越し作業の手伝いを頼まれた私は、真新しいものに替えられた畳を見下ろしながら尋ねた。

「……先輩、この下は?」

すると先輩は畳を剥がしたりせず、真面目な顔で私を見て言った。

「もう畳1枚じゃ収まってない」

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