日本は人員不足
データも何もない個人的な意見ですが、企業が抱える問題の7割ぐらいは人員不足さえ解消できれば解決できると考えられます。

残業や休日出勤が良い例です。
ブランドネームがある大企業は求人を出せばすぐに人が集まるようですが、日本の421万企業のうち99.7%は中小企業! ※ 経済産業省「最近の中小企業の景況について」より引用
慢性的な人手不足に喘いでいる企業がほとんどです。
負のスパイラル
日本の職場では、下図のような負のスパイラルが延々と繰り返されています。


なぜこのような負のスパイラルが繰り返されるのでしょうか?
繰り返される理由
① OJTが行き過ぎる
OJTとは「On-the-Job Training」の略で、実践を通して知識や技術を身に着けさせる手法のこと。上司や先輩に同行させたり、現場で実際の作業をやらせて覚えさせるわけです。
- 研修費がかからない、節約できる。
- 知識や技術を直接習得できるので、即戦力となる。
- 教える側の力量によって育ち方にバラつきがある。
- ピンポイントに学ぶため、体系的に学べない(業務の全体把握ができない)。
- OJTではなく、放置されてしまいがちである。
2023年2月に私が勤務する会社に新人が入ってきたのですが、人員不足&業務過多というダブルパンチな職場であるため、3月現在はOJTというより雑用係として現場と現場を行き来させられています。

人員不足であればあるほど、デメリットの方が勝ってしまうのです……
② 人員募集の目的を忘れる
我が社がそうなのですが、利益確保に走る経営者は人員募集をした目的を忘れがちです。
業績好調でさらなる飛躍のための人員募集なら問題ありません。
しかし、「人員不足で残業が続き、休日出勤が増え、従業員が疲弊しているから増員」という目的で人員募集したのに、

募集して人が集まったからもっと現場増やそう!
と、人員募集の目的を忘れる経営者が多いのです。

労働時間を減らすため、休日をしっかり回すために人員募集したんじゃないですか?
③ ミスマッチ
入社後のミスマッチも退職による人員不足の原因です。

ネットにあるアンケート調査の結果をまとめると、7~8割の人が「入社前の印象や募集要項、聞いていた話と違った」と感じているようです。
ミスマッチが生じる原因も明らかで、人員が不足しているから本来の業務以外のことをさせられる(押し付けられる)からです。
2023年3月時点の私個人の話になりますが、ネット関係の広報事務として採用されたのですが、現場に出たりすることが多いです。

過去には現場代理人として約3ヶ月現場事務所に詰めていたこともあります^^;
私は仕事人間かつ元社畜なので、「まあしょうがないよな」とある程度受け流せてしまいます。
しかし普通の人なら「聴いてた話と違う!」「現場に出たくないから事務に応募したのに!」と不平不満を言ったり、退職したりしてもおかしくありません。
このようなミスマッチは、意外と退職の決め手になることが多いのです。

有給があれば消化できますが、1ヶ月丸々休めるほど有給が残ってることはないと思います。
④ 「とりあえず」で雇う
慢性的な人手不足が続く企業が多いので、余程の人じゃない限りはとりあえず採用してしまうことも多いです。
たとえ面接中に「すぐ辞めそうだな」「仕事に真剣に取り組んでくれるかな?」と不安を抱いても、「とりあえず人を増やさないと!」という考えがあるので、とりあえず採用します。

飲食店の店長をやっていた時に数多くの面接をおこなってきましたが、面接中に「すぐ辞めそうだな」というのは大体わかっちゃいます^^;
試用期間を3ヶ月と定めているところが多いことからわかるように、どんな仕事でも研修に3ヶ月ぐらいはかかります。
しかしその3ヶ月内で辞められたり、研修が終わってすぐに辞められた場合、求人広告費・(あるところは)制服や道具の費用・教育した時間のすべてがムダになってしまいます。

かく言う私も「とりあえず」採用をしてしまったことがあります……
人員不足によって引き起こる恐怖

残業
ダラダラと怠惰に仕事をした結果の残業は自業自得ですが、人員不足が原因となる悪影響の1つは不必要な残業です。
人員に余裕があれば、適正な人員配置がなされていれば必要なかったはずの残業が、人員不足や誤った人員配置のせいで発生してしまうことが多いです。

たまの残業なら割り切れますが、毎日続くとストレスです。
休日出勤
残業同様、人員不足により仕事の遅れが出た場合、休日出勤を余儀なくされる場合があります。
当然労働者には断る権利がありますが、断ろうとしても「断ったばかりに冷遇されたらどうしよう……」「次の出勤で何を言われるか……」と悩み、不要なストレスを抱えてしまいます。
また、残業や休日出勤が多い企業では休日を振り替えしてもらえる可能性も低いでしょう。

出勤日数や労働時間を見ると完全に違法でも、余程のことがない限りは突っ込まれませんからね。
労働基準監督署が動いてくれるのは、基本的には相談や通報があった場合。
先に書いたように日本には約421万の企業があるので、その1企業1企業を常に見張るのは難しいからです。
人員不足でツラい思いをしている方へ
改善が望めない場合は退職

冷たい結論になってしまいますが、これしかないんです……
私自身、人員不足が原因でのツラい経験をたくさんしてきました。
何度上司に掛け合っても、何度本部に掛け合っても、結局改善されずに過労の末に体を壊し退職することになりました。

経験者だからこそ言えますが、体や心を壊してからでは遅いです!
私の場合はある日職場で倒れてしまい、意識不明で病院に運ばれました。

原因は当時の会社の労働体制にあったものの、多くの人に迷惑をかけてしまいました。
一緒に働いていたスタッフはもちろん、倒れた私を介抱してくれた施設の警備員さん、救急スタッフ、お医者さん、そして駆けつけてくれた家族。
私達は生きる糧を得るために働くので、「働くこと」が1番の目的になってはいけません!
あくまで「生きていくために仕事をしている」のであって、仕事で体や心を壊してはいけません。
まとめ
人員不足によって引き起こる恐怖、おわかりいただけたでしょうか?
- 人員不足の職場は危険がいっぱい!
- 人員不足の状態が解消されそうか考える。
- 解消されそうにない場合は退職を視野に入れておく。
今回は業務的なことを中心に解説しましたが、例えば「人員不足で仕事を押し付けられる」→「自分が本当にやりたかったことがやれない」→「ストレス!」→「病気になる」という、心への悪影響も深刻な問題です。

ただ漫然と仕事をする人生は楽しくありませんからね……
楽しみながら仕事をできるのが1番ですので、今一度自分の職場の人員体制について考えてみてはいかがでしょうか?

経営者や管理者という立場にある人は特に、自社や自分の教育体制を省みてくださいね!
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